2016年5月8日日曜日

フラメンコにも影響

マチャードの対策「アルバルゴンサレスの地」について具体的に検討する前に、ここではまず、ロマンセという詩がそもそもどういう性格のもので、スペインにとってどのような意味と歴史をもっているのか整理しておきましょう。

スペイン語のロマンセ(romance)はもともと、ローマ帝国の支配下における話し言葉だった俗ラテン語から派生した方言、ロマンス語を意味しています。

フランス語、イタリア語、スペイン語など10種ほどの言語の総称であるロマンス語のことです。と同時に、ロマンセは、スペイン文学の大きなジャンルを形成することになった詩の形式をも意味します。

たいていのロマンセは物語性を帯びています。韻律論的には、各詩行が8音節のオクトシラボ(octosilabo)で構成され、偶数行だけが韻を踏みます。

といっても行末の母音だけがゆるやかに押韻する類音韻で、同一の母音が詩全体を貫いているのがその特徴です。


ロマンセは中世からスペインで愛好されてきました。ふつう二つのメロディを交互に繰り返して歌われ、フラメンコのカンテ(歌)にも多大な影響を与えたといわれる詩の形式です。

ロマンセは14世紀の末にはすでに、民衆性の濃いバラードの一種として作られるようになっていたと考えられています。それが継承され、現在でも生き生きと命脈を保っているのです。

それは「ヨーロッパ文学にあっては類例をみない、文字どおり稀有な現象といわなければならない」 と牛島信明は指摘します。明日から、牛島の研究などを参考にロマンセの歴史をざっと振り返ってみることにします。

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