2016年5月22日日曜日

「アルバルゴンサレスの地」⑤

きょうは、第9章(⑨)と最終章(⑩)の要約です。

⑨土地(La tierra) Ⅰ(6行)、Ⅱ(20行)、Ⅲ(14行)、Ⅳ(8行)

ゴボウが、カラス麦が、毒麦が、呪われた土地を蔽っている。つるはしもすきも歯が立たない。すきが畑の中を掘り裂いて進んでゆく間にも、掘られた畝溝はふさがれてしまう。

「人殺しのフアンが耕作にとりかかっても、畝溝が畑に掘られるよりも早く彼の顔にしわが刻まれるだろう」。

東のほうでは、紅い斑点に蔽われた満月が果樹園の壁の背後で輝いていた。マルティンの血は恐怖で凍りついた。土の中に打ち込んだシャベルが血に染まっていた。

“アメリカ帰り”は故国でちゃんと根を張ることができた。金持ちで美しい娘を妻にめとった。アルバルゴンサレスの財産はいまや彼のものだ。


⑩ 人殺し(Los asesiones) Ⅰ(26行)、Ⅱ(16行)、Ⅲ(6行)、Ⅳ(16行)、Ⅴ(8行)、Ⅵ(18行)

アルバルゴンサレスの上の息子フアンとマルティンは、ある日の夜明け、ドゥエロ川の上流を目指して、骨の折れる道を歩むことにした。

谷間の濃く白い霧がバラ色に染まった。鉛色の雲がドゥエロ川の水源、ウルヴィオンのそそり立つ峰をターバンのように取り巻いていた。

2人の人殺しはラグナ・ネグラ(黒沼)にたどり着いた。水は澄み透り、黙り込んでいた。取り囲む高い岩壁には禿鷹が巣を作り、木霊が眠る。澄んだ水を山の鷲が飲みにやってくる。

父さん!兄弟は叫んだ。穏やかな沼の底に、彼らは身を沈めていった。

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